こんにちは。エッグタルトです。
今回は映画監督溝口健二について述べたいと思います。
溝口健二は1898年生まれで1956年に没しています。
サイレント映画をたくさん撮っていて(ほとんどは戦火でなくなってしまいましたが)カラー映画は2本しか撮っていない。
2020年の現在からみるとかなり昔の映画監督です。
私は『雨月物語』だけは二十歳前にビデオで見ていました。
ただ、その時の印象はほとんど記憶にありません。
この映画監督をはじめて知ったといえるのは2006年の没後50年の回顧上映が
なされたときでした。
そのころ私は病気になって仕事を辞め自宅療養をしたあと、
アルバイトを始めようとしていたと思います。
衛星放送のBS2でも作品が放映されていたはずです。
そのとき『雨月物語』を見なおして心を動かされました。
どこがどういいとは言えないのですが、
この映画監督の映画をもっと見たいという気持ちに駆られたのを
よくおぼえています。
今でもまた見たい、見逃したから見てみたいという映画がたくさんあります。
たとえば山田五十鈴が出演した作品。
『折鶴お千』『マリヤのお雪』『浪華悲歌』『祇園の姉妹』を私は見ました。
『名刀美女丸』という作品にも出ているのですが残念ながら
見逃してしまいました。
映画館で見た(たぶん京橋のフィルムセンターだったと思います)
『マリヤのお雪』は1935年の作品でフィルムの状態が悪いのですが、
画面に美しさを感じました。
どれも映画館でまた見たい、見てみたいという作品です。
もちろん戦後の作品には海外で溝口健二が発見されるきっかけとなった
傑作群があります。
『西鶴一代女』『雨月物語』『近松物語』『赤線地帯』あたりが
強く心に残っています。
なかでも遺作となった『赤線地帯』は喜劇を悲劇的に描いたのか
悲劇を喜劇的に描いたのかよくわからないリアリズムの傑作だと思います。
あとよく言われることですが、山田五十鈴もそうですが、
女優の魅力を引き出すのがとてもうまいです。
田中絹代、木暮実千代、京マチ子、香川京子、若尾文子などいずれも
素晴らしいです。
これらの女優に注目してみるのも見方の一つだと思います。