こんにちは。このブログで本の紹介をすることになった苺と申します。
わたしは子供のころから本が好きです。
母いわく、生まれてからはじめて興味を持ったものが本だとのことで、
現在は小説を主に毎月15冊くらいの本を読みます。
最近はネット小説にも手を出しています。
そんなわたしの妙な知識は、好きな作家の出身校を覚えていること。
また、読んだ本のうち気に入ったものは暗記してもなお読むので、そのお気に入りの本ならばどこに何が書いてあるのか把握しており、
唐突に「あの本のあの文章が読みたい」(暗唱できる場合がほとんどだがそれでも)と思ったときに目的の文章が書いてある頁をすぐ開くことができることが特技だと思っています。
前置きが長くなりました。
今回わたしが紹介する本は、五十嵐貴久さんの小説
「サウンド・オブ・サイレンス」
です。
五十嵐さんは幅広いジャンルの小説を書かれる方です。
「サウンド・オブ・サイレンス」は青春小説ですが、わたしはその他に五十嵐さんの推理小説と恋愛小説を読みました。
五十嵐さんのデビュー作はどうやらホラーだったようですが、いくら五十嵐さんの小説が好きでも、わたしはホラーは読みません。
食わず嫌いではなく、別の作家の作品でホラーを二冊読んであまりにも怖くて凝りました。以来、二度とホラーは読まないと誓っています。
「サウンド・オブ・サイレンス」のお話は、
高校に入学した主人公の夏子が、ふとしたきっかけで同級生の春香がろう者であることを知ることからはじまります。
夏子は春香のろう学校時代の友人・美紗に、一緒にダンスをしてくれるよう春香を説得してくれと頼まれ、たまたま知り合った春香と同じ中途失聴者の澪と共に三人でチームを組み、ダンスコンテストに参加することになります。
夏子はマネージャーとしてチームの一員として活動します。
わたしがこの作品で一番印象に残っているのは、はじめのうち、ろう者の人と
一緒にいると自分も障碍者にみられるのではないかと思い、それを嫌がっていた
夏子の考えが変わっていくところです。
また、五歳のときに病気の影響で聴力を失ったことを受け入れられず、ろう者に
みられるのが嫌で、美紗に人前で手話を使うなと言っていた春香の気持ちが
変わっていくところも読みどころだと思います。
同時に、ダンスものとしての魅力もあると思います。
わたしはダンスについての知識がないので、ダンスの用語が分からないのですが、踊っている三人の姿が浮かんでくる描写に引き込まれました。
健常者の夏子と三人のダンスを指導することになるやはり健常者の尾崎(主な登場人物の中でこの人だけ男性)、ろう者でダンスをする三人、合わせて五人が協力してダンスコンテストでの優勝を目指す、その成功物語としても楽しめます。
ラストにはさわやかさがあふれ、最高の読後感が味わえました。
よろしければ、皆さんも
「サウンド・オブ・サイレンス」
を楽しんでください